ライフスタイルに合った、動線設計、プランニングをしてこそ、快適で楽しい暮らしが可能になります。ぜひ、じっくり考えてみてそのプランをたたき台にして家族や設計者の意見を盛り込みつつ理想に近づけていってください。
目次
共働きなのでスピーディに家事したいのに動線が悪すぎて疲れます
”共働きのため日ごろの家事時間は2時間以内で納めたいです。
そのためにリフォームを考えていますが、間取りを決める際の家事動線についてアドバイスをお願いします。
私自身の希望としてはキッチンから引き戸一枚を隔て洗面所をもってきたいと思っています。
洗濯のことを考えると便利であることや、引き戸を開けておけば多少はリビングからの冷暖房で快適に洗面所が使用できるのではないかと思ったからです。
間取りを希望通りできれば迷うことはないのですが、夫の希望をすり合わせていくうちに、私の希望する動線を確保できるような、洗面所とキッチンをつなげた形は難しくなりそうです。
家族の意向を重視するか、または家事動線を優先すべきか?と悩んでいます。
間取りプランを決める時の注意事項ついてご意見を聞かせてください。
家族の意見、どれをとる?
家のリフォーム一つをとっても家族の意見が対立した時は調整が大変に厄介になります。
一生根に持たれる問題になるケースもありますから、「対立」は避けたいものです。
でも、家事の大変さを理解しない家族に、家事動線のことをキチンと理解してもらうにはどうしたらいいのでしょうか。
というよりは、家事動線と家族の動線がもっともスッキリして効率的なプランニングを提案するのが一番です。
「こっちか、あっちか」ではなく「こっちも、あっちも」納得できるプランニングを目指しましょう。
めげずに、考え抜いてください。
課題が多い物件の方が良いプランニングができることって、本当にあります。
諦めないで考え抜きましょう。
あなたが食い下がるのをみてその情熱とひたむきさに、設計担当やご主人も揺り動かされるかもしれません。
というわけで、まずは自分自身で図をつくってみましょう。
家事動線と家族動線がスッキリして快適なプランニングの基本的な考え方をリストアップしていきます。
朝の家事行動や家族の動きを全体的に把握する
予定しているプランについて、朝起きてトイレに行ってから洗面所に行き、洗濯機を回し、キッチンに入り食事の用意をする。
それから、洗濯物を干し・・・など、もっとも動線が混みやすい朝の行動順路を色鉛筆など使って書き入れていきます。
朝のトイレや洗面所の混雑が問題になることも多いので、家族の動線も含めて考慮します。
どういう順序で動くか、何分かかるのかなど家族の動きを全体的に把握しましょう。
そして、仕事から家に帰ってきてからの動線を把握します。
スムーズでないところをチェックしておきましょう。
起こりがちな失敗としては洗濯機と物干し場があまりにも遠いことです。
時には二階に干すようなプランもありますが、その場合は階段の上り下り時間が増えます。
洗濯を取り込んでからたたんで各自のタンスに収まるまでの動線も重要です。
洗濯ものを二階で取り込んだ後、たたむのに一階に降りて、また二階のタンスにしまう、なんてことが起きやすいところです。
例えば、洗濯を取り込むついでにたたむという作業が可能なスペースをとっておくだけで家事時間が短縮できます。
家事を機械化し、自動化する智恵
食洗器、洗濯乾燥機、自動掃除機、お湯張り自動セット、自動炊飯など、家事を短縮できる機械化は進めていきましょう。
棚の埃とりや、お米研ぎ、お風呂洗いなど機械化できない家事はそれでもたくさん残ります。
また「自動化」についてできることは、なにも機械化だけではありません。
どこに何があるのか家族全員が把握していれば、家族がその都度出して仕舞うことを習慣化することだってできます。
自動的に使ったその都度元の場所へ片付けられていれば、片付け家事はぐっと減りますし、探す無駄時間を短縮できます。
家族が自分でできる家事は、それぞれ自動的にできる工夫をしましょう。
そのために家族が片付けやすい収納の工夫をすることも大切です。
共働きは同時進行家事が標準
共働き家族は、家族全員が「爪切り」ひとつ「受け取り印」ひとつの在り処を知っていて片付けや、洗濯物をタンスにしまうことなどできるだけ多くの家事を自動化すると同時に、家事自体の同時進行が当たり前です。
洗濯しながらご飯をつくる。
煮物をつくりながら洗濯を取り込むなど、同じ一時間で二つも三つもの家事をこなしていきます。
ながら家事が常態です。
ですから、目はあっちで、手はこっちという事もあります。
家事動線だけでなく目線も近い方がいいのです。ユーテリティはキッチンの一部として考えたいくらいです。
むしろ洗面所は洗濯機と同じスペースでない方が使いやすいです。
一般的スタイルが「洗面脱衣室」だからと言ってそうしなければならないものではないのです。
作業するスペースは近いほどいい場合が多いです。
家事動線とライフスタイルがちぐはぐな間取りとは
家族みんなでお料理ができる、とか動きやすさとオシャレさを求めるあまりに間ランドキッチンを選んでしまって、収納について考えなかったためにモノは出しっぱなしでキレイに使えず、生活感丸出しに・・・という失敗はよくあります。
アイランドキッチンとはキッチンをリビングの一部として一体化する方式です。
これはお客様の訪問が多きご家庭に向くのですが、共働きで家にそもそもそれほど長くないというライフスタイルには合わないのです。
家具やキッチン方式、間取りを選ぶことはライフスタイルを表現するという事なのです。
まとめ
あなたのライフスタイルに合った、動線設計、プランニングをしてこそ、快適で楽しい暮らしが可能になります。
ぜひ、じっくり考えてみてそのプランをたたき台にして家族や設計者の意見を盛り込みつつ理想に近づけていってください。
自分がつくったプランは「もうこれしかない!」ぐらいに思い入れもありますが、考えてもみなかったことが、他人からの意見で発見できることはたくさんあります。
揉んで揉んで揉みしだいていいプランニングは誕生します。
諦めないで考えぬきましょう!