新しい家の木の床、柱、梁などが収縮して音がでるのは、よくあることではあります。それを「新築の音」として楽しみましょうという考え方もあります。気にすると気になるものではあるのですが、床なりだけでは欠陥住宅とは言えません。家の場合の心配事だからこそ、素人だからとしり込みする前にまず自分自身が原因を調べるというスタンスで臨みましょう。
目次
歩くと床なりがして、気味が悪いのでリフォームしたいです
床なりのためにするリフォームはケースにより考え方が異なります。
例えば次のような質問者がいます。
“2年前に新築建売住宅を購入して住んでいます。
住み始めて3ヶ月くらいして、1階リビングのフローリングの床の上を歩くと「ギー」と音がするようになりました。
すぐに購入した不動産会社に連絡をし、床が鳴ることを聞いてみると、「木造の家の場合は、湿気や乾燥で木の伸縮が起こり、どうしても音がします」との返答でした。
その後大工さんが来られ、床板を留めている金属のネジを絞めてもらい音はしなくなったのですが、それからまた2~3ヶ月くらいすると床鳴りがするのです。
それから2度ほど、床下のネジを絞めてもらってその場では治ったものの、また今も床が「ギーギー」と鳴っています。
何度も連絡するのが面倒なので、しばらく放っていましたが、静かにしていると結構音が響くので仕方なく不動産会社に電話をしました。
するとまた「木造の家は必ず床が鳴ります」と言われましたが、新築してすぐにフローリングの床が鳴るなど聞いたことがないので、ちょっと納得出来ません。
木造の家って本当に床が鳴るものなのでしょうか?
それとも建築に何か問題があるのでしょうか?
ウチの建築会社の工法は、床板を完全に乾燥仕切ってない状態で建てていくので、音がすると言われました。
建築には全くの素人なのでよく判りません。
どうしたらいいのでしょうか。“
この場合、新築で床なりがして、何度直しても音がするというお悩みです。
床板を支える根太や太引きには支障はなく、木材の伸縮によるものなので床なりが落ち着くまでに時間がかかると考えられます。
その場合にリフォームすることは適切ではありません。
床なりの原因と、対処法について見ていきましょう。
床なりの原因
フローリング板材同士の接合部分で床なり
フローリングを張る時に、板材同士をホゾと呼ばれる接合部分を組み合わせて張っていきますが、結合部が収縮したり膨張することで隙間ができて床なりが起きる事がります。
床材は完全に乾いた素材を加工してできているのですが、住宅で使用する中で「水をこぼす」「湿度が大きく変化する」という事が起きると床なりの原因になることがあります。
床が濡れることがあれば、すぐにふき取るなどのする必要があります。
フローリングと下地板(コンパネなど)の間の浮きによる床なり
この場合もフローリング床材の浮きやたわみで床なりが起きる可能性があります。
やはり、部屋の湿度の問題や、水こぼしなどを放置などが原因している場合が多いと言えます。
そういう原因がない場合は、住み始めて少ししてからの床なりであれば、床材が落ち着いていく音として考えてよいでしょう。
根太の折れ、たわみによるきしみ
「引っ越しの時に、手が滑って家具を落としてしまった」「ピアノなど予定外に重いものを置いた」など、衝撃が加わった場合、床面にキズが付くだけでなく根太にダメージを与えることがあります。
ピアノを置く場合は、予定箇所の根太を多くしますが、対策していない場合、過度な荷重が根太にかかり、たわむ、折れるなどのダメージになります。
根太がおれているとフローリング床自体もフワフワした感じになり、床なりが起きます。
根太を支える太引きの収縮や欠損によるきしみ
床板を支える根太や、根太を支える太引きがシロアリなどに食われるなどして欠損すると床がたわんだり床なりがひどくなります。
フローリング床材自体のたわみによる床なり
フローリングを使い込み、床材が摩耗したり、それ自体に強度が亡くなった時にたわんで床なりが生じます。
床なりの対処法
フローリング板材同士の接合部分で床なり
新築間もないころの床なりのほとんどは接合部で置きます。
その場合はフローリング床鳴り専用の補修材を注入して直します。
床なりがする部分に関係している接合部に補修材を浸透させ、はみ出た部分を拭きとれば終了です。
セルフリフォーム可能なものです。
フローリングと下地板(コンパネなど)の間の浮きによる床なり
床に水をこぼすなどして床材に浮きが生じた時は、浮いている部分に補修材を注入し浸透させて落ち着かせます。
広い範囲で浮いていることがわかる場合は、専門業者におまかせした方がよいでしょう。
床材が湿気を吸い込んで浮いている場合はまずは乾燥させることが大事です。
根太の折れ、たわみによるきしみ
重み家具を置くなどして根太にダメージがある時は、床がたわむなどで床なりがします。
その場合、根太を補修、補強しなければなりません。
その場合、床下に根太を補強するなどして対処できれば、フローリング床を剥がさず補修が可能です。
専門業者に根太の補修を依頼しましょう。
根太を支える太引きの収縮や欠損によるきしみ
床なりの原因が床下のシロアリによるものである場合、部屋や外部でシロアリを発見できる場合もあります。
床なりの原因がシロアリと判明したならばすぐにシロアリ駆除を行い、欠損個所を修復しなければなりません。
専門業者におまかせしましょう。
フローリング床材自体のたわみによる床なり
フローリング床を長年使うことによって隙間ができて居たり、大きくたわむような場合は床の張替えリフォームが必要です。
床鳴りを直すリフォーム費用相場
- フローリング床鳴り補修材:約1,000円~
- シロアリ駆除一式:約10万円~(その範囲によりケースバイケースです)
- 床下補修工事:約1万円~(その範囲によりケースバイケースです)
- フローリング床の張替えリフォーム/6畳:約9万円~
まとめ
新しい家の木の床、柱、梁などが収縮して音がでるのは、よくあることではあります。
それを「新築の音」として楽しみましょうという考え方もあります。
気にすると気になるものではあるのですが、床なりだけでは欠陥住宅とは言えません。
家の場合の心配事だからこそ、素人だからとしり込みする前にまず自分自身が原因を調べるというスタンスで臨みましょう。
心配するより原因を探ぐ行動を起こすことです。
相談者の場合も建築業者に対して「欠陥住宅では」と心配のあまり疑心暗鬼になっていますが、客観的にみればよく対応してくれている会社だと思います。
自分で調べてみた結果をもって建築業者に話をすることで理解できることも増えてくると思います。