年々暑くなる日本の夏に、西日は容赦なく午後の時間まで室内を照らしつけ、私達の体力を奪います。その分冬は暖かさに貢献するのかと思いきや、日照時間が短いために西窓はいつ触ってもヒンヤリ状態。夏・冬かまわず光熱費を押し上げる、本当に厄介な存在です。 遮光カーテンで閉めきりにしたり、外に簾をかけたりしてみても、いまいち大きな効果を感じられず、お悩みの方も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、西日対策で高い効果をあげている内窓設置について解説します。 ぜひ最後までお読み頂き、日本の四季を快適に過ごす参考にしてください。
目次
西日対策が必要な理由とは
西日最大の特徴は、高度が低く、室内に直接光が差し込むことです。太陽光に直にあたり続けると、家具や私たちの体にとって不調をきたす原因に。西日には、メリット・デメリットを把握し、しっかりとした対策が必要です。
西日のデメリット
西日は度々敬遠されがちですが、敬遠されるのには以下のデメリットがあります。
夏は午後の日差しが強い
日中気温があがったところに、西日が長時間照らしつけることで、室内温度はますます上昇。体が疲れている夕方に直接日差しにあたると、夏バテや頭痛など、体調を崩してしまいます。水平方向から日が差し込む西側は、太陽光を室内まで取り込んで、私たちの体力を著しく低下させます。
家具が日焼けする
家具が日焼けで傷む原因は、ズバリ紫外線。人の皮膚が紫外線を浴びることで日焼けをするのは知られていますが、実は家具も同じように日焼けをしてしまうのです。
特に気を付けたいのが、無垢素材の家具やフローリング。強い紫外線を浴びると、たちまち変色してしまいます。ひび割れなどの損傷も考えられることから、ダイレクトな日差しには要注意です。
また、畳やカーテン、家電製品など部屋のあらゆるものにも同様の被害がみられるため、置き場所には気を付けましょう。
水平の太陽光がまぶしい
水平の角度から日差しが差し込むので、まぶしさがこの上ないです。
恐らく、一番の嫌われる原因にあげてもおかしくないでしょう。リビングに大きな西窓があるお宅では、最近主流の「リビング学習」なんて、気が散ってできたものではありません。
直視すると目が痛くなる西日は、ブラインドやカーテンで遮るなどの工夫が必須となります。
冬は日陰で寒い
夏が暑い部屋は、冬も暖かいのではないかと期待してしまいますが、西側に冬の暖かさは望めません。なぜなら冬は太陽の高度が低く、日照時間が短くなるため、西側は建物の日陰になるか、そもそも日が当たらない可能性が高いからです。
西窓が日陰になると、コールドドラフト現象といって、窓辺で冷やされた空気が冷たい風となって室内の下層に流れ込む現象が発生します。底冷え状態の室内は、実際の室温よりも体感温度が低くなり、寒さを感じやすくなります。
光熱費がかさむ
夏は暑く、冬は寒い西側は、どうしても冷暖房にたよりがちで、一日中つけっぱなしなんてこともしばしば。その結果、かさむ光熱費に頭を悩ますご家庭も多いのではないでしょうか。西側の大きな窓は、外気の影響をダイレクトに受けて、冷暖房効率の低下を招きます。
西日のメリット
デメリットばかりを書き連ねましたが、悪いことばかりではありません。デメリットに比べて少ないですが、メリットにもしっかりと触れたいと思います。
夕日が楽しめる
南や東側の窓から眺める朝日は素敵ですが、西側から楽しめるキレイな夕日は、西向きならではのメリットといえます。夕日に照らされたダイニングは、自宅がレストランに早変わりしたかのような贅沢な趣があります。うまく工夫することで、西側のメリットを活かせるのが理想ですね。
西向きの部屋は夏暑く、冬寒い原因
夏の暑さに比例して、冬も暖かくなるように部屋を照らせない原因は、太陽の高度と日照時間は季節によって違いがあるからです。一般的に好まれるのは、「夏は涼しく、冬は暖かい」南面ですね。夏至での日照時間は7時間で、北・東・西と比較すると一番短く、冬至は9時間30分と最も長い日照時間を確保しています。
西面はどうかというと、夏至は7時間15分、冬至は4時間45分で南面に比べて約5時間ほど日照時間が少なくなっています。つまり西面は「夏は暑く、冬は寒い」部屋と言わざるをえません。
太陽の性質上、西側に大きい窓がある部屋で快適に過ごすには、人の手で工夫することが大切です。
夏至 春分・秋分 冬至
南面 7時間 12時間 9時間30分
北面 7時間30分 0分 0分
東面・西面 7時間15分 6時間 4時間45分
南東面・南西面 8時間 8時間 8時間
北東面・北西面 6時間30分 4時間 1時間30分
参考URL: http://chuzyu.sakura.ne.jp/detail14.html
内窓の設置は西日対策に効果的
参考:https://www.lixil.co.jp/reform/patto/reformcolumn/knowledge/page4.htm
西日を遮る方法として、カーテンやブラインド、緑のカーテンなどが有名です。しかし窓ガラス自体や、アルミサッシなども暖まってしまうので、直射日光には効果的でも、温度に関しては大きな効果は得られません。
その点内窓は、今ある窓の内側に追加するだけで断熱性能が低い住宅のガラス窓部分を、樹脂製のサッシと空気層でしっかりカバー。断熱性が向上し、暖房や冷房の効率が大幅アップします。夏の冷房費と冬の暖房費を合わせれば、年間でかなりの光熱費の節約につながります。
取り付けも窓1枚あたり約1時間というスピード施工。夏・冬の住みにくさを大きく改善します。
内窓の製品紹介
参考:https://www.ykkap.co.jp/products/reform/madoremo/plamadou/
内窓は、北海道などの寒冷地でも効果が実証済であり、夏の西日対策と併せて、住まいを快適にする手段として人気があります。また、個人でのリフォームが許される「専有部分」にあたるため、マンション住まいの方でも設置可能です。ここでは、代表的な商品を2つご紹介します。
LIXIL【インプラス】
インプラスは、LIXIL(リクシル)が販売している内窓です。プラマードUと並んで人気があり、業界初の「ダストバリア機能」は注目すべきポイント。静電気の帯電を防止する特殊な樹脂を採用し、ホコリを寄せ付けません。汚れにくく、お手入れも簡単なインプラスは、きれい好きな方からも評価が高いです。
さらに、マット仕上げで高級感もアップ!光沢を抑えた上品な質感がお部屋全体のイメージを高めます。アルミの1000倍熱を伝えにくい樹脂を使用し、高い断熱性を実現しています。
YKKAPの【プラマードU】
インプラスと同等の熱伝導率を誇り、デザイン性も優れていて人気を二分するのが、YKKAPの【プラマードU】。2013年にグッドデザイン賞も受賞したプレミアもあってか、インプラスより価格は若干高めです。一度体験すると、便利さに感心する業界初の「お手軽ロック機能」は注目ポイント。引手とカギが一体になったことで、施解錠と窓の開閉が1アクションで完結します。デザイン性、機能性共に優れており、内窓リフォームの際は候補の一つに検討して間違いないでしょう。
まとめ
夏の暑さや冬の寒さにさらされる私たちの生活は、ストレスや体調不良の原因となります。特に西側の大きな窓は、季節ごとに変化する太陽の影響が大きく悩みの種に。変えられない外的要因は、内窓リフォームで改善しましょう。
高い断熱性能を誇る内窓は、四季の変化が激しい日本の住宅事情にコミットし、西日の暑さと冬の冷気をしっかり改善します。
ぜひ今回の記事を参考に、内窓リフォームで快適ライフを楽しみましょう。