湯沸し器のランニングコストを抑えるだけでなく、環境にやさしいこと、電磁波対策の観点など、省エネルギーについては慎重に考えたいものです。方式の種類とガス、電気、石油別でみてみましょう。
目次
シャワーの使い勝手が悪いし追い炊き機能が付いていないんです
”家族がお風呂に入る時間がまちまちなので追い炊き機能を付けたいと思っています。
そう話すと友人がエコキュートのはなしをしてくれました。
友人によると、エコキュートの最大の特徴はガスを全く使わない事で、しかも電気料金が安い深夜にかけてタンク内に給水して温熱にし、電気料金がガス料金よりも掛からない為、光熱費の節約になったそうです。
一方で、溜められるお湯の量が決まっているので、以前お風呂にお湯を張る際、お風呂の栓を閉め忘れ、急遽タンク内に給水したことがあるそうです。
給水センサーは付いているらしいのですが、家族の人数が多いために足りなくなったりするそうです。
タンクの容量も大きいのにしていても駄目なんでしょうか。
それと「タンク内の沈殿物廃出のため定期的に清掃を」と言いう事ですが、それが本当ならば、手間が大変かなと。
そして最も心配なのは、停電時や、故障時の対処です。
耐用年数は10年貢らいとみても、故障時のアフターフォローは万全なんでしょうか。
放熱費が安くなったり、災害に強いと言われるので心が動きますが、やはりそれなりにデメリットがあるように感じます。
追い炊き機能を付けるか、いっそエコキュートにするか迷っています。”
お風呂の給湯設備の種類とメリットデメリット
家の中で最もお湯を使用するのはお風呂です。
お風呂のお湯を沸かす熱源は、「ガスで沸かす」「電気で沸かす」「石油で沸かす」その三種類があります。
方式は「瞬間式」と「貯湯式」に分かれます。
「瞬間式」とは水栓をひねると同時にお湯が出てくるタイプ。
「貯湯式」はタンクに溜めた水を温めて水栓から出す方式です。
ガス給湯器の特徴は何と言っても省スペースということです。
それもありガスによる瞬間湯沸かし器が多く普及しています。
電気を使用する場合は、火を使わず安全性に優れ、深夜料金を使用することで光熱費の節約になる特徴があります。
石油の場合、燃料費が低く抑えられるメリットがありましたが、価格変動があり安定しませんし、石油の置き場が必要になります。
それぞれについてメリットデメリットなどをまとめてみましょう。
エネファーム
家庭用燃料電池コージェネレーションシステム。
ガス貯湯式。
- 形状:「燃料電池ユニット」+「貯湯ユニット」+「バックアップ熱源」
- 費用:約200万
- メリット:大気中の酸素と化学変化に際し発生する電気と熱で発電する。発電メインのシステム。発電した電力の無駄が少ない。
- デメリット:イニシャルコストが高いため、電気をそれほど使わない家庭には不向き。
エコウィル
ガスエンジンコージェネレーションシステムのこと。
ガス貯湯式。
- 形状:「発電ユニット」+「貯湯ユニット」。
- 費用:70~100万程度。
- メリット: ガスエンジンで発電し電気とお湯をつくる。給湯メインの設備。給湯ユニットが満タンの時は発電しないので、お湯をたくさん使い、床暖房など常時電気を使用する家庭では有利になる。
- デメリット:発電時に使わない電気は無駄になる。エンジンを使って発電するためエンジン音がする。
エコジョーズ
潜熱回収型高効率ガス給湯器。
ガス瞬間式。
- 形状:「給湯器本体」のみ。
- 費用:5~50万円程度。
- ランニングコスト:都市ガス約6.3万円/年、LP約9.3万円/年(4人家族の場合)
- メリット:瞬間的に着火し、水圧を保てる。潜熱・排熱を回収し熱効率を高めている。家族が多くても、急な来客でもお湯切れの心配がない。コストパフォーマンスが良い。
エコフィール
潜熱回収型高効率石油給湯器。
灯油瞬間式。
- 形状:「給湯器本体」+「灯油供給設備(タンク)」。
- 費用:30~50万円程度
- ランニングコスト:灯油約4万円/年~(4人家族の場合)
- メリット:瞬間的に着火し、水圧を保てる。潜熱・排熱を回収し熱効率を高めている。
エコキュート
自然冷媒ヒートポンプ給湯機。
電気貯湯式。
- 形状:「ヒートポンプユニット」+「貯湯ユニット」。
- 費用:70~100万円程度。
- ランニングコスト:約2.2万円/年~
- メリット:コンプレッサーで大気中の熱を汲み上げお湯を沸かす。深夜料金を使ってお湯を沸かす。オール電化住宅の場合に採用される。
- デメリット:湯切れの心配がある。水圧が弱い。溜めたお湯なので飲用できない。タンクの放熱ロスがある。タンクスペースが必要。
電気温水器
電気温水器。
電気貯湯式。
- 形状:「貯湯タンク本体」のみ。
- 費用:30~50万円程度。
- ランニングコスト:約10.4万円/年
- 特徴:ヒーターでお湯を沸かし、一日分の湯量をためる。
家族構成、ライフスタイルによって選ぶ
自宅で使う分は発電できるタイプ(エネファーム・エコウィル)は基本的には電気代がかかりません。
発電量はそれなりに大きいので電気を大量に使いたい場合は、コストパフォーマンスが向上します。
オール電化住宅にしたい場合は、エコキュートになります。貯湯式になるので家族が多い場合には湯切れの恐れもあります。
お客さんの出入りがよくある、大家族であるという場合は、タンクに貯湯するタイプではない、瞬間式(エコジョーズ)の方が使い勝手が良いでしょう。
組み合わせる設備
太陽光発電システム
家庭の屋根などに設置する太陽光という自然エネルギーによる発電システムで、発電した電気は家庭用に使い、余った電気は電気会社に売ることができます。
- 費用:約40万円~
- ランニングコスト:オール電化住宅で80%削減、その他の住宅で45%削減
- メリット:家庭用光熱費を削減できる、売電できる、災害時、停電時にも使える、設置場所を選ばない、雨や曇りの日でも発電する、蓄電池を付けられる、エコウィル、エコファームを併用した時給湯機で発電した分も売電できる
- デメリット:イニシャルコストがかかる、メンテナンス費用がかかる
床暖房
「電気式」と「温水式」があります。
- 電気式床暖房+床張り替え(LDK)約75万円~約100万円
- 温水床暖房+床張り替え(LDK)約65万円~約95万円
ミストサウナ
- ミストサウナ付き浴室暖房機本体+工事:約65万円
- 熱源機別ミストサウナ本体+後付け工事:約12万円
追い炊き機能
追い炊き機能付き給湯器本体+工事:約35万円~約50万円
まとめ
湯沸し器は、ランニングコストを抑えるだけでなく、環境にやさしいこと、電磁波対策の観点など、省エネルギーについては慎重に考えたいものです。