シロアリの脅威を防ぎ安心して暮らすためには、シロアリ予防対策をすることも有効です。シロアリ予防の最も有効な時期は、新築・リフォームしたすぐ後です。とはいえ、もうすでに何年もたってしまい、シロアリらしきものを発見したらすぐに対処しましょう。
目次
先日家の中でシロアリを発見しましたが、白アリ対策をしたほうがいいのでしょうか?
”1ヶ月位前、掃除をしていたところリビングの柱の下に切り屑みたいなものが落ちていました。
虫が柱を喰ってるのかと思って探したところ、柱に小さな穴が開いてるのです。
家中の柱を見回りましたがどうやら穴が開いているのは、リビングの柱1本だけです。
穴の大きさは1mm位。数は7個くらいです。
家はまだ購入して2年足らず、柱の材質はわかりません。
虫がまさに出てきているところは見たことがないのですが、その柱のみに被害が集中しています。
そこで質問ですが、これは何の虫なのでしょうか。
柱の中で繁殖を繰り返すような虫なのでしょうか。
放置して大丈夫なのでしょうか。他の柱への影響はないのでしょうか。
お教えください。”
シロアリ、というか、柱に穴が開くなんて、ちょっとパニックになりますよね。
シロアリは本当に恐れられていて、必要以上に驚いてしまいます。
しかし、それがシロアリかどうかもなかなか判断はしにくいですよね。
木を食う虫がいたとして、殺虫剤をまけばいいものか、シロアリ駆除業者に連絡したらいいものか、それとも新築したてなので施工会社に連絡したらよいものか、迷ってしまいますよね。
対処のしかたも虫の種類によっても異なりますから。
家を食う虫について少し知識を得ておきましょう。
家を食う虫についてのワンポイント
虫のことは誰かに丸投げしたいあなたも、色々な家食う虫のことを知っておくと便利ですよ。
被害甚大!イエシロアリ
家に甚大な被害を持たらすシロアリの中でも最強最悪なものがイエシロアリです。
その行動力と破壊力は最強と恐れられるシロアリです。
庭の切り株などに巣をつくり土壌から侵入しイエシロアリの集団は100万頭にもなるそうで、ヤマトシロアリに比べても数が多いことで食す餌が半端でない量になるわけです。
イエシロアリは巣をつくると一か所に長くとどまる習性があり、一旦取りつかれたらものすごいスピードで食い尽くされます。
また、その気質は攻撃的だと言われています。
イエシロアリの羽アリは、6~7月の主に午前中に巣から集団で飛び出します。
この羽アリの駆除は、掃除機で吸い取ってから殺虫スプレーなどで駆除します。
しかし、シロアリから家を守るためには、根本的な駆除が必要です。
駆除業者に依頼する場合は数匹サンプルを捕獲しておくと話が早いです。
ヤマトシロアリ
ヤマトシロアリの羽アリが群れを成して飛ぶ時期は4月中旬~5月下旬の午前中しか見られません。
この時期に行動を追跡するとすが特定しやすく、巣ごと一層駆除できるチャンスになります。
この時期に駆除することが最も効率的と言えます。
このシロアリも土壌から侵入します。
ダイコクシロアリ
群飛は5月~8月の夜間、複数回に分けて飛びます。飛んだ時に行動経路を知る良い機会になり、駆除の良いタイミングとなります。
アメリカカンザイシロアリ
外来種のシロアリで、アメリカからやってきた乾材に巣をつくっています。
輸入された木材や家具で巣が見つかったこともあり、アメリカからの材木が運び込まれる港付近に生息地が広がっているといいます。
このシロアリは地面からではなく空を飛び屋根のスキマなどから侵入します。
群飛する時期も特定されず、暖かい日ならいつでも飛ぶ可能性があると言われています。
また、イエシロアリなどは材木の柔らかいところだけを食うのですが、この外来種は硬い部分も関係なく大きな穴をつくります。
このシロアリは水気のないところで生命力が強く駆除に特効薬がないとされています。
このシロアリに対して本国アメリカでは薬剤を燻蒸処理し、駆除されることもあるということです。
いずれにしても発見したらすぐ、被害が大きくならないうちに駆除することが大切です。
できる限り早めに予防しておくことで家に入れないことが大事です。
クロアリ
シロアリはゴキブリの仲間で、クロアリはハチの仲間なので、まずもって姿そのものが異なります。
しかし羽アリとなるとどちらのアリなのか見分けが付きにくくなります。
クロアリ被害は、食べこぼしに集まったり、人を噛むことがあげられます。
ただ、家を食うことはなく、逆にシロアリが食べこぼしに集まることはないのでその点で見分ける一つの方法になります。
一旦巣をつくると大きな範囲で被害が及ぶシロアリを優先して退治することが大事です。
その他の家食う害虫
シバンムシ、ナガシンクイムシ、ヒラタキクイムシなど多くの家食う害虫が生息しています。
シロアリ対策手順
さて、シロアリ群飛を辿って巣を発見!となったらすぐに駆除しなければなりませんね。
そして、シロアリの食害に遭った部分を修復しなければなりません。
その手順を追っていきましょう。
シロアリの兆候をキャッチする
まず、シロアリが家に巣をつくっている場合の兆候をキャッチしましょう。
- 4月~8月ごろにある場所にまとまった小さい羽根が落ちている
- 小さい俵のようなフンが落ちている
- 壁際や橋の近くに木くずが落ちている
- 床や柱などに小さな穴が開いている
- 近所にシロアリ被害が出た
- 庭の枯れ木にシロアリがいた
このようなシロアリの気配を見たら「シロアリが家に巣くっている」可能性があります。
家の状態に表れるシロアリの兆候をキャッチする
家にこんな状況が見られたらシロアリの食害を疑われます。
- 床がギシギシし、たわむ
- 天井から雨漏りあとがある
- 床や壁内部に湿気が溜まりカビが生える
シロアリを駆除する
シロアリの群飛を発見したら、巣を探し駆除します。
自分で駆除する場合は、「シロアリ駆除キット」などを購入し駆除します。
説明書に従い、床下や湿気の多い浴室周囲など重点的に薬剤を散布します。
シロアリを根本的に排除する
自分で行うシロアリ駆除は応急措置と考えて、根治のためにはシロアリ駆除業者に依頼することが確実です。
痕跡を残すと厄介です。
駆除手法は、柱、土台、土壌への薬剤散布する方法と、ベイト工法と言って薬剤を詰めた容器を庭に埋め込み時間をかけて土壌からシロアリを駆除する方法があります。
ベイト工法でシロアリを壊滅させることができますが効果が表れるまで3~4カ月を要します。
シロアリにより欠損した部分を補修リフォームする
シロアリが恐ろしいのは柱や土台など家を支える構造体である主要構造部の強度を激しく損壊させる危険性があるからです。
シロアリが食った柱は骨粗鬆症にかかった骨と同じで少しの衝撃で折れてしまいます。
柱を修復するにも強度が出る方法で継ぐ必要があります。
金物などを駆使して補強する必要が出る場合もあります。
シロアリ駆除費用相場
シロアリ駆除:約7,000円~9,000円/坪
まとめ
シロアリが恐れられている理由がわかりましたでしょうか。
シロアリの脅威を防ぎ安心して暮らすためには、シロアリ予防対策をすることも有効です。
シロアリ予防の最も有効な時期は、新築・リフォームしたすぐ後です。
家をリフォームしたらすぐにシロアリ予防を行いたいものですね。