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建築士が要らないリフォーム図書を自分でそろえる

素人でもできる見積もり用リフォームプラン図面のつくり方

素人でもできる見積もり用リフォームプラン図面のつくり方

見積に必要な図書・文書を作るために素人でもできる内容をお教えしていきます。各項目を表にして現わすと解りやすくなりますよ。

一口に“リフォーム”といっても、壁クロスの張替えから、お風呂の入れ替え、間仕切りの移動、部屋の増設、バリアフリー化など内容は様々です。

ここでは、設計者が居なくても「自力で見積もりができる図書を整える」ができるようにサポートします。

建築士が要らないリフォームとは

まず、どんな工事なら建築士はいらないのか、最初の判断材料が必要です。

建築士や適合審査申請が必要かそうでないかを表にしてみました。

※要審査とは、適合審査申請をすることにより減税や補助金、金利優遇が受けられる可能性がある工事

審査を受けて優遇措置をえる可能性のある省エネ・バリアフリー・耐震化工事

  • 浴室暖房・浴室乾燥機・給湯器交換
  • ガスコンロからの交換
  • 洗面所のバリアフリー化
  • 便座のみ交換や手すり設置のみ
  • 和式トイレを洋式トイレに変更
  • 洗面所の全面バリアフリー化
  • 浴室内窓の変更・給湯設備を最新型に変更する工事を含める
  • 断熱リフォーム(床・壁・天井・屋根)
  • 耐震診断
  • 耐震工事※1

建築士がチェックする必要がある工事※確認申請が必要

  • 洗面所・浴室を新設する場合に、床面積を増やす工事
  • 間仕切り壁をとる(構造壁以外・居室の採光面積計算)※3
  • カーポート設置(建築面積が増える)※2
  • 耐震工事※1
  • 屋根の葺き替え工事※4

建築士や審査機関のチェックが必要でない工事

  • 在来工法のバスタブのみ交換
  • 既存のキッチンに食洗器埋め込み
  • レンジフード交換
  • 洗面台の交換
  • 洗面所の内装工事
  • 洗面台の交換と内装
  • トイレの内装工事
  • ウォシュレット取り付け
  • 洗面所の新設(床面積が増えない場合)
  • トイレ交換
  • 畳交換
  • 障子・ふすま張り替え
  • 外壁面コーキングやり替え
  • 門扉の新設
  • アプローチ・屋根、壁なし駐車場設置
  • 生垣植え込み
  • 庭の玉砂利敷き
  • マンションのI型システムキッチン交換
  • システムキッチン交換と内装工事
  • 機能充実・全面洗面所工事
  • 壁・天井クロス貼り換え工事
  • 床フローリング張替え工事
  • 壁面収納
  • 床暖房の設置
  • 間仕切り壁をとる(構造壁以外・居室の採光面積計算)※3
  • 和室を洋室に変更
  • 全面塗装塗り替え
  • 屋根・外壁全面張替え
  • 敷地境界にフェンス設置
  • シュークローク設置
  • 浴室の新設(床面積が増えない場合)
  • 場所変更を含め全面キッチンリフォーム
  • 屋根の張替え
  • 屋根の塗り替え※4

※1.耐震工事には確認申請が必要です。
※2.カーポートとは屋根のある駐車場ですので建築面積に換算されます。土地には建築可能な建蔽率が指定されています。敷地面積に対しての建蔽率を超えて建築することはできません。
※3.間仕切り壁をとる場合は、構造壁でないことを確認する必要があります。新築当初に作成した図面、もしくは確認申請の副本に表示されています。構造壁以外の壁をとる場合、部屋の広さから計算された窓の大きさを一定以上確保しなければなりません。
※4.屋根は建物の主要構造部にあたります。屋根を葺き替え重さの異なる素材に変更する場合は確認申請が必要になります。軽い屋根から重い屋根への変更はできない場合があります。

上記※印の工事についてリフォーム会社が建築士事務所登録を取得している場合は、リフォーム会社が対応できます。

素人が作る見積もり用リフォームプラン図面のつくり方

設計者が居なくても怖くない!見積もり発注する時に必要な資料をまとめます。

設計図書として必要な図面

  • ① 申請書:表紙、各申請書は届け出受付機関からダウンロードできます
  • ② 設計内容説明書:工事主、工事の場所、工事の内容など
  • ③ 付近見取り図:工事場所付近の地図
  • ④ 配置図:敷地の形状寸法、求積図と面積および敷地内の建物の配置と建築面積・建蔽率
  • ⑤ 仕様書:クロス・床などの材料とグレード(品番)、キッチン・浴室・洗面・トイレの交換するものの品番、照明器具・家具など、塗装など塗り回数など工事仕様など見積もりに必要な仕様のすべて
  • ⑥ 各階平面図:部屋の間取り寸法
  • ⑦ 立面図:家の4面外観図
  • ⑧ 断面図または矩計図:一階床、二階床、軒、小屋、階段の蹴上など建物の各部位の高さ寸法を現わしたもの
  • ⑨ 基礎伏図:建物基礎の平面寸法図。鉄筋材料の太さ、間隔等明示
  • ⑩ 各階床伏図:各階の床の構造寸法図。使用部材の大きさと材料を明示
  • ⑪ 小屋伏図:屋根にかかる梁の平面寸法図。使用部材の大きさと材料を明示
  • ⑫ 各種計算書:求積計算、構造計算、採光計算、その他省エネ・耐震など基準審査に必要な計算
  • ⑬ その他必要書類:提出する審査機関による

以上は新築・増築など確認申請が必要な工事の場合の設計図書になります。

確認申請が必要でない場合に必要な図書を次に述べます。

確認申請が必要でないリフォーム工事に必要な設計図書

上記の中で確認申請が必要でないリフォーム工事の見積もりに必要な図面は②工事内容説明書、⑤仕様書、⑥平面図の他に

⑭ 展開図:各部屋の内側4面の立面寸法図

⑮ 建具表:建具のデザイン・既製品の場合は品番と寸法と個数

など、必要に応じて図面があれば確実な見積もり合わせが可能になります。

リフォームプランニング図書のつくり方

では、見積に必要な図書を素人でもできる手法をお教えしていきます。

必要な図書は次のようなものになります。

間取り図

① 最初に現状平面のスケッチが必要です。

変更箇所をすべて含んだ平面が必要です。

通常の平面図では、壁の芯から芯までの寸法を入れ、平面詳細図で壁厚なども記します。

自分で平面プランを描く場合は壁の内内寸法を測り部屋ごとの平面図をつくります。

碁盤の目の用紙を使うと書きやすいです。まずは現状平面図をつくりましょう。

② どのように変更するのかを、現状図面の上に書き入れます。

③ 四方の寸法、欠けや張りがある場合も寸法を書いておくと、家具配置などにも便利です。

絵にかいた大きさと寸法がかけ離れていると、目算を誤りますので、書き入れ寸法に忠実に絵を描きましょう。

フリーハンドでも構いません。

仕様書

外部仕上表

  • 屋根:仕上、仕様(品番・不燃番号など)、防水仕様、下地
  • 軒裏:仕上、下地
  • 外壁:仕上、防水仕様、下地、塗装仕様
  • 樋 :素材、太さや幅
  • ドレイン: 排水ドレインの仕様

開口部 外部建具

  • バルコニー床 :仕上、下地、防水仕様
  • バルコニー手摺:手すりデザイン、素材の指定
  • 外部巾木:仕上
  • アプローチ:仕上、下地
  • フェンス・塀 既製品の場合は品番、仕上、造り
  • 門扉:既製品の場合は品番
  • 庭・外構工事 植栽・側溝・雨水桝など
  • 駐車場 :床仕上、下地
  • 床下換気口:製品素材、π
  • 天井裏換気口: 製品素材、π
  • 断熱材 :素材、厚み等(省エネ基準適合の有無)
  • トップライト :既製品の場合は品番、造作の場合は詳細寸法

内部仕上表

  • 玄関:床仕上げ 巾木 腰壁 天井 備考欄
  • 廊下:  同上
  • トイレ : 同上
  • 洗面所 : 同上
  • 脱衣室 : 同上
  • 浴室: 同上
  • キッチン: 同上
  • ダイニング: 同上
  • リビング: 同上
  • 和室: 同上
  • 洋室: 同上
  • 階段: 同上
  • 押入れ : 同上

内装仕上表の備考欄に、工事に含む既製品の品番とカラーを指定します。

展開図

壁仕上げの面積やデザインを知るための図面です。

腰壁を作る場合はその高さ、棚など造り付けの造作をする場合はその寸法など、展開図に記します。

建具表

建具表に必要な項目の説明をします。

  • 建具番号: 平面図に建具の番号をふり、建具の位置を対応させる
  • 姿図: 建具の姿図で、寸法を書き入れる
  • 形式: 窓の開き方の形式(引き違い、開き、上げ下げなど)
  • 仕上: 建具の素材と仕上
  • 見込み: 建て具の厚み
  • ガラス: 使用するガラスの仕様
  • 付属金物: 丁番・レバー・戸アタリ・鍵など指定
  • 特記事項: 防火指定、網戸、現場実寸など
  • 数量: 同じ仕様・同じ寸法の建具の数

工事概要説明書

工事概要説明書に必要な項目を上げます

  • 依頼主 :リフォーム工事依頼主の氏名
  • 工事場所: リフォーム工事場所
  • 地域指定: リフォームする敷地の都市計画地域の指定
  • 敷地図・敷地面積: 法務局が保管する敷地の公図
  • 容積率・建蔽率: 指定地域の容積率・建蔽率
  • 補助金申請の有無: バリアフリー・省エネ・耐震補助金を受けるか
  • リフォーム減税対象の有無: バリアフリー・省エネ・耐震減税を受けるか
  • ローン金利優遇措置の有無 :バリアフリー・省エネ・耐震金利優遇を受けるか
  • その他特記事項: 家族の事情(赤ちゃんがいる、介護者がいるなど
  • 完成希望日: 工事を完了する希望日
  • その他の希望 工事の季節、騒音対策、近隣対応など

以上の書類が整っていれば見積もり発注ができます。

まとめ

以上の書類を作成できれば工事見つもり依頼ができます。

さあ、チャレンジしましょう。

もしも、見積依頼をするまでの書類がつくれないという場合は、平面プランだけでも専門家に依頼することは可能です。

賢く専門家を使いましょう。