これから中古不動産を購入し、リフォームをして素敵な自宅を持ちたい!という方の間で、最近中古の戸建て住宅を選択肢に入れて検討したいという方が増えているようです。マンションのようなアクセスの良さはないものの、庭付き一戸建てに住みたいというご要望は昔から根強く、最近はまた改めてその人気が出てきたようです。しかし中古の木造と聞くと不安がある方も多いらしく、どうやって選べば良いのかよく分からないというご意見がほとんどです。リフォームにどれくらいの予算がかかるかも分からないし、気づかない欠陥があると心配ですよね。 今回はそんな中古の木造住宅を見極めるポイントを説明したいと思います。今回紹介するポイントは、住宅診断のプロでも実践している方法で、壁をめくったり解体をせずに、できるだけ多くの情報を得るために見るべき場所を順を追って紹介したいと思います。
建物の外観をみる
不動産屋さんを通じてから持ち主の許可をもらい、早速見学の申し込みをしてみましょう。いくらプロでも実物を見ずに診断することはできません。
まず最初に重要なポイントは建物の外観を見て判断することができます。外観で見るべきポイントは大きく分けて4箇所で、屋根、軒裏、外壁、基礎です。2階建ての屋根が見えないという場合は双眼鏡を使ったり、2階のバルコニーから覗き込んだり工夫しましょう。
屋根
屋根は屋根瓦やスレート屋根にズレ・割れ・破損がないかを確認しましょう。また屋根廻りについている雨樋(雨水の通り道)の破損がないかをチェックしましょう。もしも損傷がある場合は、雨漏りの可能性があったり、いずれにしても補修の必要があります。
軒裏
軒裏には亀裂や雨のシミがないか、仕上げが塗装の場合は塗装の剥がれがないかを確認しましょう。屋根同様に雨漏りがある場合はシミの有無で判断することができます。
外壁
外壁にはクラックというヒビがないか、外壁仕上げ材の目地に充填されたコーキングが劣化していないか、外壁塗装が白華現象・チョーキングがないかを確認しましょう。白華現象はタイル仕上げの外壁に多く、やチョーキングとは、外装仕上げ材の塗装がきれてしまい機能していない状態を指します。壁の中に雨水が浸透している可能性もありますので、こういった損傷がある場合は外装の再塗装が必要になる場合もあります。とはいえ、家の中に被害がない場合は、直ちに急いで修繕する必要があるわけでもありません。
基礎
基礎はクラックの有無を必ずチェックしましょう。0.1ミリ程度のヘアークラックであれば問題はありませんが、0.5ミリを超える大きなヒビがある場合は、地盤沈下や建物の構造的な被害の可能性があり、耐震診断を実施することをお勧めするような大きな被害です。
屋内では建具を動かしてみる
屋内を見るときは、ついつい間取りを見たり日当たりや風通しを見がちですが、家自体の劣化状況をチェックするためには建具の動きをチェックする必要があります。建てつけが悪く開閉が困難な建具がある場合は、建物自体がゆがんでいる可能性があります。建具周りだけの歪みであれば比較的簡単な工事で修復することはできますが、数ヶ所に及ぶ悪い場所がある場合は要注意です。
また、屋内を見るときは、一度スリッパを脱いで歩いてみましょう。床材を支える下地に劣化がある場合、床の軋みや傾きは、スリッパを履かずに歩いてみる方が気がつき安くなっています。
全ての部屋の天井を見る
外観でのチェックポイントである軒裏に似ているのですが、こちらも雨染みがないかをチェックしましょう。屋内に雨染みの跡がある場合は、屋内にまで及ぶ雨漏りがあったことを意味します。しかも2階建ての1階天井に染みがある場合は、その被害範囲が広いと予想されます。これは部屋の天井だけでなく、押入れやクローゼットの中もチェックするようにしましょう。
プロは天井裏や床下もチェックする
ここまでのポイントを全てクリアしていても、目に見えない箇所に破損がある場合もあれば、問題なく住むことができる場合もあり、これ以上は中々気がつかないと思います。しかしこれらポイントに加えて、プロの診断では最上階の天井裏に当たる小屋裏や、最下階の床下までチェックをします。雨漏れなどによる腐食は、天井まで及ばずに小屋裏に止まっているケースもありますし、床下にはシロアリ被害の跡が見つかるかもしれません。素人の方には中々見るのが難しいポイントではあります、危険を伴う場所でもあります。どうしてもこのレベル以上の診断が必要となる場合は、費用がかかってしまったとしても、専門の住宅診断業者さんに依頼するようにしましょう。
まとめ
住宅にはどうしても見えない箇所が多く、全てを100パーセント把握することは中々難しくなってしまいます。しかし、初心者の方でもすぐに実践できるポイントも多数あり、覚えておくだけで甚大な被害がある物件に事前に気がつくことができるかもしれません。もしもきになる木造住宅がある場合は、この記事の内容を思い出して、物件見学をしてみてください。