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壁紙を塗り壁に変える事はできる?

壁紙を塗り壁に変える事はできる?

「マイホームの壁には壁紙ではなく漆喰を塗りたい」 「リフォームで室内の壁に珪藻土を塗りたい」 どちらもご要望も比較的よく聞くお話です。しかし、皆様は漆喰と珪藻土をごっちゃにして考えている方が多いようです。今回はそんな塗り壁をリフォームで計画することは出来るのか?また、そもそも漆喰と珪藻土の違いって何?という点について記述させていただき、それぞれの特徴からどのお部屋に計画するのがお勧めかという点までご説明していきたいと思います。

壁紙を塗り壁に変える事は出来る?

 様々な条件はありますが、結論から言うと壁紙だった壁を塗り壁に変更する事は可能です。もちろん戸建て住宅にお住いの方も、マンションにお住いの方も大丈夫です。しかし壁の表面だけに思えるこの計画も、いくつかクリアすべき条件があります。
まずは下地です。壁紙仕上げの壁は、その下地に石膏ボードという不燃材料が使われていることが多く、その上に塗り壁を塗ることも出来ます。しかし、一度ボードに貼られてたクロスを、完全に綺麗に剥がしてしまうことは難しく、そのまま同じ下地に塗り壁を施工してしまうとクロスを剥がした後や、傷や凹みといった不陸が残ってしまうのです。その雰囲気が自然な仕上がりで好きという方はいいのですが、綺麗に仕上げたい方にはお勧めできません。そんな時は石膏ボードから貼り直す必要があります。家の壁全てを計画するとなると、非常に大きな施工費用の違いが出てしまいます。
また、塗り壁という素材はクロスと違ってひび割れが出てしまいます。下地である石膏ボードのジョイント部分や天井側等は、ひび割れが起こりやすい場所で、予防するためには事前に下地ボードを2枚重ね貼りしておく必要があります。さらに手間と費用がかかってしまいますし、それでも100%ひび割れを防ぐ事は出来ないかもしれません。そもそも塗り壁等の自然素材が持つそういった特徴を愛でられる人でないと、デメリットを受け入れられない方が多いかもしれません。

漆喰と珪藻土の違いって何?

① 漆喰と珪藻土の具体的な違い
まずそもそもの違いをご説明します。簡単にご説明すると、漆喰は石灰石という岩石を原材料とする塗り壁材です。一方珪藻土は藻類という藻の仲間である珪藻を粉末状にし、それに漆喰や泥などのつなぎ材を混ぜてつくられたものです。
漆喰の方が主成分がシンプルであるため、メーカーによる差は少なく、珪藻土の方が配合等の違いから、メーカーによっての品質が異なりやすいと言われています。自然素材を使いたくて漆喰や珪藻土を用いた左官壁を計画しているにもかかわらず、安い珪藻土を使ってしまうと、つなぎ材に化学合成の成分が含まれているということもあります。化学合成成分は一概に悪いものではなく、ひび割れを防止するためだったり、様々な要因がありますが、メーカーによるその辺の差を理解しておくようにしましょう。

② 漆喰
漆喰には高い消臭効果や、シックハウス症候群の原因として名高いホルムアルデヒドを分解する性質があります。つまり室内の空気をきれいにしてくれる訳です。生活臭やカビ臭い匂いなどを消してくれるため、ペットがいる部屋や、玄関のエントランスクロークがオススメです。
しかし漆喰にもデメリットがあります。まずは施工費に関して壁紙を貼るよりも高くなります。壁紙を貼るのに比べると、左官の作業は本当に時間がかかり大変です。また塗る期間に加えて、乾かす期間も1〜2週間ほどかかってしまうため、工期も多くかかってしまいます。塗った後の乾燥期間に部屋に入ると、自然素材の独特な匂いがあるため、これもデメリットと言えるかもしれません。そして壁紙にはないひび割れのリスクもあります。木造や軽量鉄骨の場合は特にひび割れのリスクが高くなります。ひび割れ対策のため、下地のボードを二枚張りにして計画することもありますが、それでもヘアークラックのような細かな日々は入ってしまうものです。そう言った部分も味と考えて愛でることができる方にはオススメかもしれません。

③ 珪藻土
珪藻土の性能も漆喰に似ているのですが、湿気を吸う力が漆喰よりも高いと言われています。漆喰でもある程度の調湿効果は見込めますが、時に珪藻土を使って欲しい部屋としては、部屋干しをすることが多い部屋や、寝室にオススメです。結露にお困りの方は、珪藻土が有効ですので、そういった悩みがある部屋にも計画してみましょう。
しかし、珪藻土にもデメリットがあります。ひび割れや施工費については漆喰と同様です。またメーカーによりますが、珪藻土に頼りすぎて湿気を溜めすぎてしまうと、カビが生えてしまう可能性があります。どうしても北側のお部屋や水回りは湿気がたまりやすく、珪藻土が湿気を吸いすぎた状態で長い年月が経ってしまうと、カビの温床になってしまう可能性があるのです。珪藻土の効果は大きいですが、それに頼りすぎるのではなく、定期的に換気をしたり、部屋によっては乾燥機を用いて湿気を取り除くように努めましょう。

まとめ

風合いも素敵で、憧れる漆喰や珪藻土といった壁ですが、どちらもあまり広い面に施工しすぎると、費用も高くなり、ひび割れのリスクも高くなってしまうようです。例えば限定的に一部分に計画してみたり、天井だけを変えてみるなどと言ったアクセントの考え方をしてみても良いかもしれません。